心理学用語

ゲシュタルト崩壊とは、知覚における現象のひとつで、全体性を持ったまとまりのある構造から全体性が失われてしまい、個々の構成部分にバラバラに切り離して認識し直されてしまう現象をいう。幾何学図形、文字、顔など、視覚的なものがよく知られているが、聴覚や皮膚感覚、味覚、嗅覚においても生じうる。

例えば、白抜きの黒の文字を長時間見つめていると、文字の形がぼやけて見えたり、文字の部分が切り離されて見えたりすることがある。これは、文字の全体性が失われ、個々の構成部分に注目してしまうために起こる現象である。

ゲシュタルト崩壊は、人間の知覚が全体的な構造を重視していることを示す現象である。人間は、目の前にある情報をただ単純に認識するのではなく、それらを組み合わせて全体的な構造を認識している。そのため、全体性が失われると、個々の構成部分を認識することが難しくなる。

ゲシュタルト崩壊は、知覚障害の症状としても知られている。例えば、アルツハイマー病やパーキンソン病の患者は、ゲシュタルト崩壊を起こしやすいことが知られている。これは、これらの病気が脳の認知機能を損なうことで、全体的な構造を認識する能力が低下するためである。

ゲシュタルト崩壊は、日常生活の中で誰でも経験する可能性がある現象である。しかし、知覚障害の症状としてゲシュタルト崩壊を起こしている場合は、早めに医療機関を受診することが重要である。

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