心理学用語

両面提示の法則とは、何かを説得する際に、メリットだけでなくデメリットも併せて提示することで、説得力を高めるという心理学的効果です。

この法則は、1961年にアメリカの心理学者であるロバート・チャドウィックによって提唱されました。チャドウィックは、被験者に対して、ある商品を買うかどうかを尋ねる実験を行いました。その際、被験者を2つのグループに分け、1つのグループには商品のメリットだけを、もう1つのグループにはメリットとデメリットの両方を提示しました。その結果、デメリットの両方を提示したグループの方が、商品を買う可能性が高かったという結果が出ました。

この実験の結果から、人はメリットだけを聞いていると、その商品を過大評価してしまう傾向にあることがわかりました。一方で、メリットとデメリットの両方を聞くと、商品をより客観的に評価できるようになり、説得力が増すのです。

両面提示の法則は、マーケティングや営業などの場面でよく用いられています。例えば、商品の広告で、商品のメリットだけを訴求するのではなく、デメリットも併せて提示することで、より説得力のある広告にすることができます。また、営業においても、商品のメリットだけを説明するのではなく、デメリットについても説明することで、お客様が納得して商品を購入する可能性が高くなります。

両面提示の法則は、人を説得する際に効果的な手法です。しかし、デメリットを過度に強調すると、逆効果になる場合もあります。そのため、メリットとデメリットのバランスをうまく取りながら、両面提示を行うことが重要です。

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