凶器注目効果とは、犯罪現場で凶器を持った犯人を目撃した場合、目撃者の注意が凶器に集中し、犯人の人相や着衣といった詳細な情報に関する記憶が不正確になる現象です。
この効果は、1979年にアメリカの心理学者、エレン・ロフタスによって発見されました。ロフタスの実験では、被験者に映画を観せ、その後、犯人の顔を写真から選ばせました。映画の中で、犯人は銃を所持していましたが、被験者の中には、銃を持った犯人の顔を覚えていたのに、銃を持っていない犯人の顔を覚えていない人もいました。
凶器注目効果は、いくつかの要因によって引き起こされると考えられています。一つは、凶器が人々の注意を引き付ける強力な刺激物であることです。凶器は、人々の恐怖や危険を連想させるため、注意が集中してしまいます。また、凶器が犯罪現場に存在することは、犯罪が起こっていることを意味します。犯罪は、人々の緊張や不安を高めるため、注意が集中してしまいます。
凶器注目効果は、裁判においても問題となることがあります。目撃者は、凶器に注意が集中してしまい、犯人の人相や着衣といった詳細な情報に関する記憶を忘れてしまうことがあります。このため、裁判で目撃証言が信用できないことがあります。
凶器注目効果を防ぐためには、目撃者に事前に凶器注目効果について説明することが重要です。目撃者に凶器に注意が集中してしまうことを理解してもらい、犯人の人相や着衣といった詳細な情報にも注意を払うように促すことが大切です。
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