心理学用語

ロス効果とは、最初に好意的に評価された後で、ネガティブな評価を受けると、ネガティブな評価がより強く印象に残ることです。

ロス効果は、1975年にアメリカの心理学者エリオット・アロンソンとダーウィン・リンダーによって提唱されました。彼らは、女子大学生を被験者として、ある男性の容姿について評価する実験を行いました。その結果、最初に好意的に評価された後で、ネガティブな評価を受けると、ネガティブな評価がより強く印象に残ることが明らかになりました。

ロス効果は、様々な場面で起こり得ます。たとえば、商品の価格が値下げされた後で、値上げされると、値上げがより強く印象に残ります。また、恋人が最初は優しかったのに、後から冷たくなるといった場合も、冷たさがより強く印象に残ります。

ロス効果は、人間の心理が関係しています。人間は、得たものよりも失ったものの方が、より強く記憶に残る傾向があります。これは、人間が、損失を避けようとする本能的な傾向があるためです。

ロス効果は、マーケティングや営業など、ビジネスの分野でも活用されています。たとえば、商品の価格を最初に高く設定した後で、値下げすると、値下げがより強く印象に残り、商品の売上が伸びることがあります。また、営業マンが最初に無理な条件を提示した後で、条件を緩和すると、緩和された条件がより強く印象に残り、契約が成立しやすくなります。

ロス効果は、人間の心理を理解する上で重要な概念です。ロス効果を理解することで、人間の行動をより効果的に促進することができます。

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