心理学用語

表情フィードバック仮説とは、顔の表情が感情に影響を与えるという仮説です。1960年代にアメリカの心理学者ポール・エクマンによって提唱されました。エクマンは、世界中の人々が共通して表情を使い、その表情は感情を表すものであることを発見しました。そして、表情を作ることで脳に刺激が伝わり、その刺激が感情に影響を与えると仮説を立てました。

表情フィードバック仮説は、多くの研究によって裏付けられています。例えば、ある研究では、笑顔を作ると脳からエンドルフィンという物質が分泌されることがわかりました。エンドルフィンは、脳内物質の一種で、幸福感や鎮痛作用があります。つまり、笑顔を作ることで、脳から幸せホルモンが分泌され、気分が良くなることが示唆されています。

また、別の研究では、怒りの表情を作ると血圧や心拍数が上昇することがわかりました。これは、怒りの表情を作ることで、脳が興奮状態に切り替わり、身体が戦闘態勢に入るためと考えられています。

表情フィードバック仮説は、私たちの感情をコントロールする上で重要な役割を果たしています。例えば、気分が落ち込んでいるときには、笑顔を作ることで気分を良くすることができます。また、怒っているときには、怒りの表情を抑えることで、冷静な判断をすることができます。

表情フィードバック仮説は、私たちの日常生活にも影響を与えています。例えば、笑顔をよく見せる人は、周囲から好印象を持たれやすいです。また、怒りの表情をよく見せる人は、周囲から怖がられることが多いです。

表情フィードバック仮説は、私たちの感情や行動に大きな影響を与えています。私たちは、自分の表情を意識することで、自分の感情をコントロールし、より良い人間関係を築くことができるかもしれません。

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