デュベルジェの法則とは、フランスの政治学者モーリス・デュベルジェが提唱した、選挙制度が政党システムに与える影響に関する法則である。デュベルジェは、小選挙区制は政党の二大化を促進し、比例代表制は政党の多様化を促進すると主張した。
デュベルジェの法則は、選挙制度が政党システムに与える影響について、合理的選択理論に基づいて説明している。小選挙区制では、選挙区ごとに1人の代表を決めるため、有権者はできるだけ多くの票を集められる候補者に投票する傾向がある。そのため、有権者の支持が分散されてしまうと、どの候補者も過半数の票を獲得できず、議席を獲得できない可能性がある。そこで、有権者は、できるだけ支持が集まりそうな候補者を選ぶことになる。この結果、小選挙区制では、2つの大政党が有力な立場になる。
一方、比例代表制では、各政党が得票数に応じて議席を獲得する。そのため、有権者は、自分の支持する政党に投票するだけで、その政党が議席を獲得できる可能性がある。このため、有権者は、自分の支持する政党に投票しやすくなる。また、比例代表制では、複数の政党が議席を獲得できるため、政党の多様化が進む。
デュベルジェの法則は、多くの国で実証されている。例えば、アメリカは小選挙区制を採用しており、2つの大政党である民主党と共和党が有力な立場にある。一方、ドイツは比例代表制を採用しており、複数の政党が議席を獲得している。
デュベルジェの法則は、選挙制度が政党システムに与える影響について、重要な示唆を与えてくれる。選挙制度は、政党システムを大きく左右する可能性があるため、選挙制度の選択は慎重に行う必要がある。
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